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飲食店バンザイ

毎回、お店の経営に役立つ情報をお送りするこのコラム。
前回に引き続き、ユージー・グローイングアップ代表取締役社長・宇都宮俊晴さんにお話をうかがいました。次々とお店をヒットさせる、宇都宮さんの経営哲学とは?


「老いも若きも和食。合い言葉ですよ」“隠れ和食”という言葉を生んだ究極の飲食スタイル

りゅうぼん鰻谷今またお客さんの嗜好が和食に戻ってきましたね。若い子に聞いても和食にしか行かないって言ってますね。20代〜50代まで、老いも若きも和食。合い言葉ですよ。例えば「あほぼん寺」や「りゅうぼん」、「恋のしずく」といった隠れ和食なんてのは、もう典型的なデフレの店です。普通の居酒屋でしたら定員10名の個室に2名しか入らないんですから。そりゃ満席になるんは当たり前です。

 

その発想は「平日に満席にしよう」。稼働率で勝負しようと、365日、年間通しての考え方で個室をやりだしたんです。これまでは結婚するまでの年齢層で勝負してきましたけど、オープン前に「今度は20〜50代まで底辺を広げてやるよ」と言いました。その時、従業員はわからんかったと思います。ウチは20数年間若い子ばっかりですし。

 

でもフタを開けたら実際に20〜50代までの人が来られるんですよ。今までの店…例えばキリストンカフェに、わたしと家内の2人でいっても、若い子がキャッキャッ言うててね、そらしんどいですよ。そら行かないですよ。だけど個室やと隣で50代の夫婦、その隣で20代のカップルでも、お互いわからんわけです。異空間で同じ年代が楽しめるっていう。これが我々、飲食店業界の究極だと思っています。

 

「これからは我々の店だって贅沢商売ですよ」お酒を飲まない日はあっても、ご飯を食べない日はない!

 経済の動きと、オシャレっていうのは平行線。ファッションが進む…例えばグッチやヴィトンが売れる、ブランド物の服が売れるってのは、景気と平行して売れ行きが上下するんですよ。これからは我々の店だって贅沢商売。オシャレなレストランなんて、行かなくてもいいんやから。そうでしょ?絶対にいかなアカンのはメシ屋。

 

そこで平成15年の3月からスタートしたのが「宮本むなし」です。この店で売り上げを伸ばすことに初めて目覚めたんです。人的比率や物件をみつける喜びってのは初めての経験でしたね。「ここやったら人の流れがあるし」って考えるんですよ。同じ通りでも右側と左側とじゃ、お客さんの入りがまったく違う。その心理を読むというのは、すごくおもしろいですね。

 

不景気な世の中を考えたら、もうこれからはファーストフードしかしません。景気がよくなれば話は別ですけど。メシだけは昼夜と絶対食べなダメですから。だから平日でも週末でも、雨の日だろうと売り上げは一緒なんです。今は宮本むなし1店舗だけで最低でも年商1億はあげてます。たかが550円の客単価とバカにできないんですよ。

 

「人任せにした店に愛着はわかないですよ」20数年前から掲げる、個人商店主義と自己完結システムとは

時代ってのは変わるものですから、それを読んでニーズにバチッとハマる食べ物屋でありたいと思います。だから売り上げが伸びても、小さな店でありたい、個人商店でありたいと考えています。

 

わたしは20数年前から個人商店主義自己完結システムを掲げています。内装から、デザートや料理に至るまで自社でやってるんです。リキュールやワインもスペインで造ってます。何でも自分のところでしますから。どこかの部分を人任せにして、その店に愛着はわかないですよ。結局は心につながるんです。従業員も含めてね。よく後継者はどうされるんですかって聞かれますけど、余剰人員は一切ないですから。各店の料理長をまとめるトップがいなくなっても、東京の副社長がいなくなっても、エライことですよ。もちろんわたしがいなくなっても大変です。つねに究極の選択で動いていますから。我々の商売スタイルは個人商店です。週休2日制のところに行きたい人は、勉強して大企業に入ったらいいんですよ。

 

我々の場合、学歴なんて関係ありません。一生懸命働く人間ばっかりですよ。だからそういう人たちには、宮本むなしで3年がんばったら独立させてあげて、資金も貸してあげています。

個人商店主義の大将をいかに生み出せるか。今はその喜びのために力を注いでいます。

 

宇都宮俊晴
ユージー・グローイングアップ代表取締役社長。昭和27年、大阪府生まれ。大学を中退し、東京へ。宇都宮俊晴若干19歳にして、ゴルフ会員権販売会社を設立。

その後、モデルクラブやミニサロンの経営に携わったが、昭和53年に廃業。「うつのみ屋」をオープンさせ、外食産業へ。現在までに「くいものや12,6」「ブッツトリックバー」「キリストンカフェ」「あほぼん寺」「恋のしずく」など、さまざまなテーマ型レストランを展開。昨年からはメシ屋「宮本むなし」をスタート。いずれもヒットを飛ばす。

現在は「200人の起業家育成プロジェクト」を実施。 給料をもらいながら、フードビジネスに関する経営ノウハウを学習。最長4年のプログラム修得後に独立させるという方法で、ビジネスの幅を広げている。